休業手当について、休業補償との違いや支給条件、対象、期間、計算方法も説明

休業手当とは

会社側の都合で従業員に休んでもらう場合、会社は休業手当を支払う必要性があります。休業手当は労働基準法によって決められているものですが、休業補償と何が違うのか気になる人も多いのではないでしょうか?

それでは、休業手当とは何か、休業補償との違いや支給条件、対象、期間、手当の計算方法に加え、雇用調整助成金についてもご説明しましょう。

休業手当とは?休業補償との違いや担当者が押さえておきたい基礎知識

休業手当とは労働基準法第26条により、従業員を雇用している会社がの都合によって従業員を休ませなければならない時に支給する手当のことです。

企業側の故意または過失、経営不振、資材不足、設備や工場の機械不備、血管、検査等、従業員不足などを初めとする様々な理由による休業は休業手当を支払う対象になります。

対する休業補償は休業手当と同じように感じられるかもしれませんが、法律の観点から見て全くの別物なので注意しましょう。休業補償は労働者災害補償保険法第14条で既定されており、業務災害によって従業員が休業せざるを得ない状況になった時に、労災保険から給付されるのが特徴です。

基本的な休業手当における平均賃金の計算方法

休業手当を支給する時の平均賃金の計算方法は、『休業日ごとに1日あたり平均賃金の6割以上』になるので、原則的に『休業日以前3ヶ月間の賃金総額÷3ヶ月の総歴日数』で計算することにになります。

休業日より3ヶ月前というのは、直前の賃金締切日から計算を行うのがポイントです。賃金締切日が末締めの企業の場合は、過去3ヶ月間の賃金総額を90日で割った金額が平均賃金となります。

ただし。この方法だと時給・日給で働いている人にとって非常に不利な計算になってしまうので、『休業日以前3ヶ月間の賃金総額÷3ヶ月の労働日数×60%』で計算を行う特例があるのが特徴です。

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緊急事態宣言下での休業手当の支払い義務について

緊急事態宣言によって企業が休業を余儀なくされた場合、当然ながら従業員は企業の都合によって休業することになります。これは法律で決められているので休業手当が支給されるかと思いきや、企業側にとって一切の責任がない休業と認められる場合は休業手当の対象にならないので注意が必要です。

新型コロナウイルスによる緊急事態宣言は世界中で起こっている問題に対抗するための対策なので、企業にとっては緊急事態宣言に従ってやむなく休業せざるを得ない状況になっています。これは企業側に責任を問うことはできないため、休業手当を支給する義務がありません。

ただ、休業手当を支給するかどうか厚生労働省も明確な判断を出していないため、個別のケースに応じて判断するしかない状態になっています。この場合、緊急事態宣言下で休業手当が発生するケースとして挙げられるのは、新型コロナウイルスに感染している疑いがある従業員を企業側の判断で自主的に休業させることなどが挙げられます。

ここで完全に新型コロナウイルスに感染していることが判明している従業員を休業させるのは、企業側が他の従業員を感染から可能な限り守るために行うやむを得ない休業なので休業手当の対象になりません。

このように、緊急事態宣言下で発生するケースに応じて判断した内容次第で休業手当が発生すると言えるでしょう。

休業手当・傷病手当・傷病手当金について

休業手当は上記でご説明したように、企業側の都合によって従業員が休業になった時に支給される手当であり、従業員が申請しなくても自動的に支給されます。受給額は平均賃金の60%以上で、受給期間は休業期間中にのみ限ります。なお、休業手当は所得税の対象になるので注意が必要です。

傷病手当とは、離職した後にハローワークへの申し込みをした後に怪我や病気が理由で15日以上続いて職業に就くことができないと認められた時に支給される手当です。傷病手当の支給額は賃金日額の45%~80%ですが、原則として離職した日の直前6ヶ月間に支払われた賃金総額÷180が支給額になります。

傷病手当金とは、業務外で怪我や病気になってしまったため、当面の間仕事ができなくなったことで収入が減少してしまった時に支給される手当です。この時の支給額は1日につき、標準報酬日額の3分の2に相当する金額となります。

なお、標準報酬日額とは従業員の保険料を決定する基礎となる標準報酬月額の30分の1に相当する金額であり、休業開始後4日目から休業が終了するまで支給されます。

休業補償給付制度について(支給要件・支給額・期間)

休業補償給付制度とは、仕事をしている最中に起こった災害が原因で休業することになった時に支給される制度です。非常に似た制度として休業給付制度がありますが、こちらは通勤中に起こった災害が原因で休業することになった時に支給される制度なので、今回は休業補償給付制度について解説します。

休業補償給付制度は、正確には災害などが原因で負傷したり疾病を患ったりしたことで療養しなければならなくなり、業務に携わることができなくなった時に生活保障として一定額が支給される制度です。

休業補償給付制度が支給される要件は、以下の通りです。

• 療養中であること
• 業務の遂行ができない状態であること
• 賃金が一切支払われていない状態であること

以上の全ての要件を満たしている時に支給されます。

支給額は全部不能労働か一部労働不能で違います。

所定の労働時間全ての業務に携わることができない全部不能労働の場合は、1日あたり給付基礎日額の60%が支給されます。

病院から通院しなければならないなど一部の労働時間に就労できない場合、給付基礎日額から労働した部分に支払われる賃金額を差し引いた金額の60%が支給されます。

なお、支給期間は休業開始後4日目から休業が終了するまでです。この時の休業期間3日目までは待機期間となり、休業補償給付金が支払われず、休日もカウントされないので注意しましょう。

まとめ

休業手当は企業側の都合でやむを得ず従業員を休業させなければならなくなった時に支払われる手当です。ただ、あくまで企業側の都合で支給されるので、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言の影響によって従業員が休業しなければならなくなった場合は企業側の責任にならないため、休業手当は支給されません。

休業手当が支給される条件や期間、対象、計算方法などを確認して、スムーズに手当が受給できるようにしておきましょう。

ご不明な点やご心配も多々あると思います。石丸社会保険労務士事務所にお気軽にお問い合わせ下さいませ。