「振替休日」と「代休」の違いとは? 違いや運用上の注意点を解説

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振替休日と代休は同じ休日ではありますが、何が違うのか説明することはできますか?この2つには違いがあるので、勘違いしていると労働基準法に違反することになりかねません。従業員との無用なトラブルを防ぐためにも、振替休日と代休の違いを知っておきましょう。

それでは、振替休日と代休の違いについてご説明しましょう。

「振替休日」と「代休」の違いとは?

振替休日も代休も従業員が休日労働を行った後に休みをもらう方法ですが、一見同じように見えて実は違うところがあります。経営者として従業員がしっかりと休めるようにするためにも、振替休日と代休の違いについて知っておく必要性があるでしょう。

振替休日も代休も基本的に就業規則に記載されており、同じ意味であっても労務管理上の取り扱いが違うことに注意が必要です。それでは、振替休日と代休の違いについてご説明しましょう。

「振替休日」とは?

振替休日とは、本来休日として扱われる日を他の勤務日と入れ替えることです。

これにより、休日だった日に出勤した場合は勤務日に出勤した扱いとなり、代わりに休みになった日は休日として扱われるのが最大のポイントです。この振替休日は2年以内に振替休日を与えることが定められているものの、これでは改善指導を受けてしまうので注意しなければなりません。

最低でも3ヶ月以内、可能な限り1ヶ月以内に振替休日となる日を指定しましょう。

「代休」とは?

代休とは休日出勤を命じる代わりに他の出勤日の勤務を免除するものです。

振替休日と非常によく似ていますが、代休の場合は休日出勤をすると休日に出勤した扱いになり、休みが与えられた日は勤務が免除された日として扱われます。たとえば日曜日に休日出勤した場合は休日出勤になるので、後から平日のうちどれかを休日にしなければなりません。

事前と事後で変化する休日の取扱

振替休日と代休は事前と事後で休日の取り扱いが変わるのがポイントです。

振替休日の場合、『休日出勤を行う前日』までに振替休日について従業員が全容を把握している状態でなければなりません。少なくとも休日出勤を行う前日までに振替休日についての連絡をしないと振替休日扱いにはならないので注意しましょう。

振替休日をスムーズに行うためには、『従業員が前日までに休日出勤を行う日を知っており、なおかつ代わりに振替休日がいつの日になるのかを知っている状態』にしなければなりません。

代休の場合、休日出勤を行った事後に休日がいつになるのかを知らされた時に代休という扱いになります。振替休日の場合は事前に休日が定められていましたが、代休はあらかじめ休日を定めていないので、とりあえず休日出勤をしてから代わりの休みの日を決めていくのがポイントです。

些細な問題に感じられるかもしれませんが、振替休日と代休では賃金の扱いに差があります。まず、あらかじめ休日だった日に出勤した場合は勤務日に出勤した扱いとなり、代わりに勤務日が休みになった日は休日として扱われます。

しかし、代休は本来勤務日ではなかった休日に出勤するように命じられた場合は従業員を休日に働かせるということになるため、割増賃金を支払わなければなりません。

振替休日は事前に知らせなければならないので就業規則や労働基準法でも一定の決まりがありますが、代休は明確な決まりがないのが問題です。各企業によって代休に関する就業規則が違うため、転職などをした場合は就業規則を確認して代休に関する取り決めについて知っておきましょう。

法律で明確に決められていない以上、休日出勤をしてもらって休みを与え、割増賃金を支払えば法律には違反しません。また、従業員の同意を得ていれば欠勤日を代休扱いにすることもできます。ただ、企業側が一方的に欠勤日を代休扱いにすることはできません。

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「振替休日」と「代休」の賃金計算方法の違い

次に疑問になるのが、振替給仕と代休の賃金計算方法の違いです。

労働基準法では休日出勤を行った場合に35%の割増料金である休日手当を支払わなければならないと決められています。ただし、振替休日は本来休日となる日と勤務日を事前に同意を得た上で入れ替えているので休日出勤扱いにはなりません。

ただ、代休の場合は休日出勤したことになるので、35%の割増賃金を休日手当として支払うことになります。振替休日と代休では休日手当の有無が一番の違いだと言えるでしょう。

振替休日だと休日手当が支給されないと思われるかもしれませんが、実は1日8時間または週40時間以上の勤務を行った場合は割増賃金となる25%の時間外手当をを支払う要項は振替休日も例外ではありません。

つまり、月曜日~金曜日まで1日8時間働いた場合、5日分で40時間働いたことになります。しかし、ここで振替休日によって土曜日も働いた場合、週に48時間働いたことになるので8時間分の勤務について時間外手当として25%の割増賃金が請求できます。

また、未消化の振替休日と代休がある場合は注意が必要です。本来なら通常の賃金に加えて135%や125%の賃金を支払う必要性がありますが、代わりに休日の賃金と相殺して25%や35%の賃金を支払うことができます。

ただし、未消化の振替休日と代休がある場合、与えていない休日の賃金を休日出勤の賃金と相殺して割増賃金のみを支払うのはNGです。これは何日も休日が消化されていないことで起こりやすい問題で、もしも不当に相殺しようとすれば賃金支払いの『全額払いの原則』に違反することになるため、労働基準法違反となります。

まだ消化していない振替休日と代休がある場合は注意しましょう。

まとめ

振替休日と代休は非常によく似ていますが、振替休日は勤務日と休日を事前に入れ替えるもので、代休は休日出勤させた後に休日を決めるので大きな違いがあると言えます。事前と事後では大きく違う上に賃金計算もまるで違うため、振替休日と代休について知っておくと労働基準法に違反していないか指摘することもできるでしょう。
経営には、こういった事案が日々出てきます。社労士と顧問契約を行うことで、スムーズにストレスなく問題がクリアになり、経営が安定します。
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